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星を目指して


今年のミシュランが出版されました。昨年ほどの騒ぎにはなっていないが、疑問に思うことがある。
日本料理の事はよくわからないが、当然のように星が付いてもおかしくないグランメゾンに星が無くて残念に思う。その中で、私が3年間お世話になったオテル・ドゥ・ミクニに星が付いていないことは残念に思います。三國シェフの日本のフランス料理界における功績、日本から世界に発信してきたことを思うと何か寂しさを感じる。すばらしいシェフであり、すばらしいグランメゾンであると思う。
私の先輩・友人達も星を頂いた者が随分います。「クレッセント」の磯谷シェフ、彼とはジラルデで一緒に働いた同期であり、彼の作る料理の完成度は、ヨーロッパで出会った日本人で最高ではないかと思う。最高の料理人であり、最高のライバルであるかもしれない。「二ツ星おめでとうございます」
そして、「エディション・コウジシモムラ」 下村浩二とは15年来の友人です。お店がオープンする前には4名のスタッフを預かっていました。まだオープンして1年ですが、今年いきなり二ツ星を取り驚きました。彼の努力が認められたことを嬉しく思っています。「二ツ星おめでとう」
残念なのは「レ・クレアション・ド・ナリサワ」が一ツ星であることです。彼との出会いは私がバカンスで「ポール・ボキューズ」に食事に行った時、彼がキッチンで働いていた時です。その夜、私が宿泊していたホテルにやって来て朝までいました。大変面白い奴でした。そして「ジラルデ」のキッチンで再会し、一年間一緒に住むことになりました。まだ何もできなかった彼でしたが、辻調理師専門学校のフランス校を首席で卒業しただけあって知識はすごく、素晴らしい感性を持っていました。その彼が5年前に南青山にお城を築いた(すごいお城)。客席は20~30席しかないが、キッチンスタッフ,サービススタッフ,レセプションスタッフで30名。料理・ワイン、特に食材は産地まで足を運ぶほど、全てにこだわりを持っているお店です。当然のように三ツ星になることだと思っていました。
一昔前からフランスでもミシュランの星をお金で買うと聞いたことがあったが、日本でもそんな噂があります。とても信じたくない話ですが。
日本にも有名なジャーナリスト,フードコーディネーター,趣味でブログを書いているそんな人達は、お店をほめる、あるいは認める前に批判,否定することから始まる。店側は一生懸命やっている、努力して頑張っている。そんな中、ミシュランは公平であってほしい。今度名古屋にもミシュランができる噂がある。本当だったら嬉しい。私も一層努力して星を目指していきたい。喜びたい。お店の為にも、スタッフの為にも、名古屋の為にも。そして、ヨーロッパでお世話になったグランシェフ達に恩返ししたい。

12.12.2008 北村竜二